国立大学付属病院や一部の総合病院が医療のグローバル化に熱心に取り組んでいる一方で、日本全体で見るとまだまだ医療のグローバル化は停滞している現状があります。
たとえば、地方の病院などに行くと、院内の案内板は、日本語のみで表示されている場合がほとんどです。このような地域を訪れた外国人が、万が一怪我や病気をした場合には、病院に入ってすぐ、わからないことだらけでしょう。そのため、せめて案内板や診療科は、早急に英語表記をする必要があるといえます。
実際、医療現場で英語を話せる人材は少なく、まだまだ外国人の患者さんに苦手意識を持つタッフが多い現状があります。訪日外国人が増加する中、この状況は由々しき事態です。さらにこのままだと、外国人にとって日本の病院は近寄りがたい施設になり兼ねません。
さらに、日本は医療の発信力も海外に追いついていないといわれています。その原因の一つとして、医療のシステム化の遅れが挙げられています。優秀な日本の技術をしっかりと世界に発信するには、ネットを介した通信技術の向上が最大の鍵となります。日本の医療技術の発信が、日本経済の発展に繋がることは間違いありません。そのためにも、全国の病院におけるシステム化は早急に進めるべきなのです。
病院のシステム化は、医療従事者の人手不足解消にも良い影響を与えます。電子カルテ、見守りシステム、チャットシステムなど、あらゆるシステムの登場により、一人あたりの仕事量が削減されています。医療の基盤をしっかり支えるという意味でも、国を挙げたシステム化の対策が求められるでしょう。