政府が推し進めるインバウンド施策(訪日外国人旅行者数の拡充)によって、医療機関を受診する外国人の数は増え続けています。そこで国が掲げたのが「医療の国際展開」です。
具体的には、外国人の患者さんを受け入れる際に必要となる環境整備のマニュアル化や、医療機関と自治体が協力して外国人の患者さんを受け入れられるようにする仕組み作りがインバウンド施策として立案されています。厚生労働省のホームページには、外国人が安心して受診できる病院を紹介するサイトへのリンクなどが載せられており、外国人が医療難民となることのないような仕組みが構築されています。
また、日本の優れた精密医療機器や医療サービスを新興国に提供することで、現地の医療水準を上げる目標が掲げられた、アウトバンド施策というものもあります。現地の医師を日本に呼び寄せ、自国の医療技術向上のための研修を行ったり、現地での対応が難しい患者さんを日本へ搬送したりする活動を実施しています。
日本ではあまり症例のない患者さんを受け入れるケースも多く、それは日本の医療技術の進歩につながります。そして新たな医療機器やサービスの開発、輸出にも繋がることで、日本にとっても新興国にとっても財産になる施策となっています。
実際、日本の医療は他国に比べてグローバル化が遅れていると捉えられてきました。そのイメージを払拭するため、経済産業省及び厚生労働省が一丸となって上記に取り組んでおり、日々外国人の受け入れ体制構築に向けた会議が開かれています。